アマゾンのPB戦略、その影響はアパレル以外にも及ぶってよ!
“米ネット小売大手のアマゾン・ドットコムが、自社プライベートブランド(PB)のアパレル製品の売り上げを大幅に伸ばし、注目されている。”
(ビジネスIT 2017年10月23日: https://www.sbbit.jp/article/cont1/34170)
“アマゾンに出品される他社製品の売れ筋データを把握し、そのスタイルや傾向をまるごと「パクる」戦略が当たっており、アパレル各社は戦々恐々だ。だが、アマゾンのPBは衣料だけでなく、あらゆる商品分野で若い消費者を同社の生態系に取り込んでしまう、より大きな戦略の一部に過ぎない。”
(同上)
(https://www.sbbit.jp/article/cont1/34170)
とうとう、この時代が来ました…。
ちなみに、先日も業務PC用のマウスが壊れたので、何も考えずに安いAmazonで購入したところ…。
Amazon印のマウスを買っていました…。
楽天もyahoo!も持っていない商品SKU単位の販売データをAmazonは持っています。商品は1つ1つのコードで識別されていますので、どの年齢のどの性別のとかに住んでいる誰が何を買ったかわかるのは当たり前で…。
Amazonさんは、どういう消費動向のある人がそれらの商品を買っているかという、購買関連性の情報、いわゆる、ビックデータを完全に保持している会社です。
いわゆる、次に何を買いそうかという先読みができてしまうわけです。
“自社サイトでベストセラーのアパレル商品のデータを徹底分析するほか、衣服を試して気軽に返品もできる「プライム・ワードローブ」を試験的に立ち上げた。顧客が選択したカテゴリーの商品の詰め合わせが毎月、「サブスクリプションボックス」と呼ばれる定期配送の箱に入って届く。”
今はPC関連商材やアパレルなどが中心ですが、ヘルス・ビューティ領域もやるのではないでしょうか…。
化粧品等のヘルス・ビューティは、アパレルと同様に利益率が高いだけでなく、高単価であり、リピート商品であることが考えられます。
また…。
消費動向のデータだけでなく、Amazonさんが本気で利用者のヘルスケア情報を集め、消費動向データと相関関係を元にメディカル領域に進出することだってありえます。
例えば…。(法令上のハードルは少し無視しています)
「アレクサ、今日の薬出して」
「今日の血圧は〇〇ですので、血圧降下剤は〇〇mgですね。」
「明日、次のお薬が届きます。新たに(Amazon印の)ジェネリックが出てますが、切り替えますか?」
とか…。
「昨日の取られた食事の総カロリーは〇〇kcalでビタミン〇が不足してますね。今日の食事は少し控えめにした方が良いですね。あと、ビタミン〇を摂取するためにビタミン剤を準備しますか?」
とか…。
「(リピート購入情報から)シャンプーがもうそろそろ無くなる頃だと思います。前回と同じものにしますか?それとも、本シャンプーを使われている方は次に〇〇シャンプーを使われている方が多いです。一度お試ししてみますか?」
「(リピート購入情報から)ヘアケアオイルがそろそろ切れる頃ではないですか?前回購入のアルガンオイルと同じ成分で安価な(Amazon印の)〇〇がありますが、こちらを試してみますか?」
※「アレクサ」は、Amazonが発売さているスマートスピーカーで問い合わせする際に呼び出すときの名前
と、と、と…。
リピートコスメ商品に対しては、スイッチコストというか、商品スイッチするためのハードルを極限に下げるどころか誘導することも簡単かなと…。
ブランドで売る有名人によるプライベートコスメの対極にあるコストパフォーマンス戦略のAmazonPB…。
米国の小売店舗が軒並み縮小しているというニュースもあり…。当然、ネット、というかAmazonの影響が大きい…。
(business insider Japan: 「小売業の崩壊は想像以上に深刻だった —— 見落とされていたもう1つの兆候とは」)
また、Amazonさんは、このPBブランド商品を
- 小売店舗で直販(Amazonの小売店舗サービス「Amazon GO」)したり、
- 現在ある小売店舗に卸販売(AmazonのBtoB販売サービス「Amazon business」)
なんていうサービスも準備しております…。
怖いですね…。
今日はここまでで…。